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漢方・薬膳・中国茶の紹介サイト『花於菟~はなおと~』です^_^
今回は「風邪」をテーマにお話をさせていただきます。
風邪というと、咳や鼻水、頭痛など、倒れるほどではないけれど体調は崩れて日常生活を送るのが困難、といったイメージが多いかと思います。
この「カゼ」、東洋医学ではたくさんの分類がありそれぞれ処方が異なります。
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カゼを漢字で表すと「風邪」と書き、東洋医学では「ふうじゃ」と呼びます。
「カゼは風から運ばれてくる」とも言われていたようです。
また「風邪は首から入り込む」と言われており、その由来としても首には「風門(ふうもん)」「風池(ふうち)」「風府(ふうふ)」と言ったカゼに関わるツボが存在しています。
また「風邪は万病のもと」と言われるように、破傷風/風疹/痛風など風の字が入る病名が多いのです。
このように「風邪」にまつわる記述は昔から数多く伝わっており現在の「風邪(カゼ)」に至っているのです。
この「風邪」を「ふうじゃ」と呼ぶ東洋医学上の分類の場合には、ほかに五つの「邪(じゃ)」が存在しています。
「寒邪(かんじゃ)」
「湿邪(しつじゃ)」
「燥邪(そうじゃ)」
「暑邪(しょじゃ)」
「火邪(かじゃ)」
これらに「風邪(ふうじゃ)」を加えて、東洋医学では病気の外因として「六淫(六邪)」と呼び、自然界での気候の変化によって現れる「カゼ」と見なしています。
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● 風邪: (特に春に多い一般のカゼ)
咳/鼻水/頭痛/喉の痛みなど
★寒気のある「寒性」→温めて治す
★熱だるい「熱性」→冷まして治す
● 寒邪: (冬に多い冷える病邪)
冷え/寒気/吐き気/下痢など
体表に始まり内部へ移動していく
→温めて治す
● 湿邪: (梅雨に多い湿気の病邪)
下痢/頭の鈍痛/むくみなど水分代謝低下
→主に利水で治す
● 燥邪: (秋冬多い乾燥の病邪)
口渇/皮膚や粘膜の乾燥/空咳など
→主に潤して治す
● 暑邪: (真夏の病邪)
高熱/熱感/多汗/倦怠感など
脱水型の熱中症や夏バテがこれに当たる
→清熱で治す
● 火邪: (上記五邪の蓄積による病邪)
高熱/のぼせ/動悸/不眠など
知恵熱など上半身への上昇による
→まずは気を巡らせる
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このように季節・原因・症状ごとに「カゼ」は分類がありますが、ベースは「風邪」であり他の五邪のどれかを併用していることが多いのです。
したがって、一様に「カゼ」と言ってもその時期・人・体質によっても根本治療は異なります。
現代では、パ○ロン、ル○など、どんな症状にも対応出来る便利な総合かぜ薬も一般薬局で手に入りますね。「今回は油断して風邪をひいた」「普段は滅多に風邪なんてひかないのに」という人は、市販薬で充分かと思います。
ただ「風邪をひきやすい」「季節ごとに必ず体調を崩す」と言った人は、体調を崩すときにそれが六淫のなかでどの状態なのか当てはめてみると、適した治療をしやすくなるのではないかと思います。
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では、ちょっとした風邪の小話でした、花於菟(はなおと)からでした。
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