薬膳・漢方・中国茶をご紹介するサイト「花於菟(はなおと)」です。
今回はとりわけ商品紹介は無いのですが、ちょっとした小話をおすそ分け致します。
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「この漢方薬で頭痛が治りますか?」
というようなメッセージを時々頂く機会があります。
私も返答に困り、
「その場の頭痛だけを和らげるとなると、一般の頭痛薬が一番効果があります」と言う答えになってしまうのです。
「痛み」だけをターゲットに細胞の分子レベルの試験まで合格して開発された、確実な「薬剤」ですからね(^◇^;)
そのかたが、「頭痛に悩まされていて、それを漢方薬で治したい」なら、返答は180度変わります。
「どうか漢方医にご相談をお願いします。」
医者ではないため、出来ないのです。
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お医者さんであれば、
・冷えがあるか(冷えからの頭痛か)
・汗が出ているのか(のぼせなのか)
・生活リズムは規則的か
・血行は悪いほうか(肩こりからの頭痛か)
・むくみやすいか(低気圧で脳内の水分が増えたのか)
・風邪によるものなのか
エトセトラ、聞きこみます。
そして本人を前にして、顔色や体格、性格、体質、声色や目と舌の感じ、体を触った感じ(脈や温度、皮膚の状態など)諸々の(専門用語では八綱弁証という)「証」つまりその時点のその人「全て」の状態を診て、適応する漢方薬を決めなければなりません。
その上で、「頭痛の根本的な原因」を取り除き、更にその人にとって一番相応しい心身の状態に持っていくことが漢方の目的なのです。
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私のアドバイス出来る事と言えば、「これが原因なら、この生薬」というぐらいなのです。
漢方薬というと目的に合わせて生薬を組み合わせた「薬」ですので、それを紹介することは出来ません。
あくまで「食品」という形で生薬を処方した薬膳を扱うのが、私の役目となります。
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・冷えからの頭痛には: 体を温めるもの(生姜や桂皮、辛味のものや赤身肉など)
・のぼせの頭痛には: 体内の鬱憤を散らすもの(菊花やシソの葉、ニラ、柑橘類など)
・生活リズムの乱れによる頭痛には: 自律神経を整えるもの(高麗人参や茉莉花、牡蠣、イチジクなど)
・血行不良による頭痛には: 血液の流れを良くし、コリをほぐすもの(紅花や高麗人参、当帰、松の実など)
・むくみによる頭痛には: 低気圧により水分が体の上方、脳や脇の下、首などに溜まり、外に出にくいため、利尿効果のあるもの(ハトムギや杜仲、緑豆、コーヒーなど)
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いちおう私が発言出来るのはここまでとなります。
「風邪(ふうじゃ)」が原因となると、それこそ漢方薬または専門医のお仕事ですからね。「寒邪(かんじゃ)」「熱邪(ねつじゃ)」でまた処方も違うことでしょう。私はパブロン派です(笑)
では皆様、これからようやく寒くなりますので、「風邪」にはお気をつけてお過ごしください。
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以上、花於菟(はなおと)からでした。
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